今朝見た夢の話。
巨大な宇宙船が空を覆っており、その宇宙船の外装は金属よりもっと軽そうな、極彩色のパネルで構成されていた。例えるならルービックキューブの各色を20色くらいにグラデーションさせて、各色のその一辺が10メートルくらいと考えてもらえれば良いだろう。そういう巨大なパネルが複雑に構成され、何の機能が在るのか判らないが、宇宙戦艦ヤマトの底部の第三艦橋のようなタワーらしきものが突き出ている。そして僕らは谷底のような場所に居て、四方を崖に囲まれている。つまり、上空に見えるはずの空を宇宙船が蓋をしてしまった状態だ。なので僕らが見ているのは宇宙船の底部のみという事になる。
僕らと書いたが、実は谷底には何百人もの男達が居て、僕を含めたそいつら全員が、幅10メートルくらいの、横から見ると山型に組まれた梯子を登っている最中で、一体何の為にそうしているのか判らずにいた。宇宙船に乗り移ろうとしているように思えるかも知れないが、宇宙船は梯子の突端の遙か上空である。それでも皆やみくもに梯子を登り続けている。恐らく、谷底にそのまま居続けると何かしら良くない事が起きるのだろう。宇宙船の底部に在る艦橋が伸びて、自分を受け入れてくれるのを期待しているのかも知れない。
突然電子音が鳴り響き、宇宙船のパネルがまるで板が倒れるような様子で動いた。谷底に居る男達全員が呆気にとられ、動きを止めて頭上を見上げていた。そしているうちに宇宙船のパネルは次々と動き出し、それに連れて電子音も一定のリズムを持つようになり音階まで現れた。ただ、巨大な物が動いている割りには風圧を感じないし、作動音や何かがぶつかり合うような衝撃音も聞こえてこない。電子音が谷中に響き渡っているだけである。それでも、巨大な物が眼前で動くのだから視覚的には威圧感がある。やがてパネルの動きはスピードを増し、動き方も複雑になった。電子音の旋律も複数になり、それらが絡み合うようにうねる。僕はだんだん怖くなってきた。
ふと気付けば、僕は梯子の最上段に掴まっていた。僕より先に梯子を登っていた男達はどうしたのだろう。怖くなって降りたか、それとも落ちてしまったのか。振り返ると、僕の背後で大勢の男達が僕を見上げていた。
とその時、電子音が一際大きく響き、僕が驚いて頭上を見上げると、宇宙船の底部艦橋が形状を次々に変えながら僕らの方へ伸びてきた。それはもう、どう考えても僕らを救おうとしてくれている雰囲気ではない。何かしら、とんでもない事を今まさに起こそうとしているとしか思えなかった。僕は半ばパニックに陥り、為す術もなく梯子にしがみついた。こんな恐ろしい事が起こって良いのか。何故に僕がこんな目に遭わなければならないのか。混乱する頭で僕は考え続けた。そしてふと思い付いた。これは夢だ。こんな事が起こる訳が無い。何故か僕はそう確信し、目をつぶり頭を振った。
すると電子音が突然止み、一瞬の空白の後に僕の耳には人の話し声が聞こえてきた。恐る恐る目を開けると、僕は陽光の差し込む一室で、見知らぬ男女数人と一緒にお茶を飲んでいた。
というところで目が覚めた。まさかの二段落ち。
July 15, 2012 at 00:31
はい、ぼくの勤務先Ukrainianとかつて双璧をなしたものです。
ぴったりでしたか… ただ読むがわだと、絶望の輪郭をびっしりと七色の希望がおおっているような変な昂揚感もあります。この解釈があてはまると、じつは夢はそこから別の解釈や無意味にころがりおちる万華鏡のようなものかもしれませんね。
July 15, 2012 at 08:08
ふつう夢には色彩がないというのはうそなんですね… みたほうはいやですけど、これを読むほうはなんだか楽しげですね♬
サイル発射、大規模テロ、ゲリラ・特殊部隊攻撃、航空攻撃に国家がならす国民保護サイレンというぞっとする警報音をYouTubeで聴いたことがありますが、というか↓の句といい海のそばにいらっしゃったんですか?
かってな解釈をすると、なんといいましょうか男たちはみんな極彩色の希望というものをみあげておりますが、だんだんとその希望自体がまがまがしくなって、そこからのがれてぼんやりと空でもながめていたいのに希望はそれをゆるさず、いつしか希望は「義務」たる鬼神の相貌をあらわにする… というようなイメージがうかびました。「男たち」から喫茶店の「男女」にシテュエイションがかわるのでさらに…
July 15, 2012 at 11:16
僕は生まれてこの方、色彩の無い夢を見た事ありませんな。なので大人になってその言説を始めて耳にした時は冗談だと思っていました。
烏賊火の句は想像ですよ。お題の季語に「烏賊火」を出されても、全く馴染みがないので書けねぇ、と思っていたんですが、何となく頭に像を結べたので書いてみたのです。
夢に意味があるとも思えませんが、その解釈はぴったりです。何故自分の人生はこんな事になってしまったのかと、絶望の底へと転げ落ちる際の阿鼻叫喚でした。
ところで、そのハンドルネームは下記の映像の事ではなく、もう一つの別の意味なんでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=_XrU6RagZwk
July 15, 2012 at 13:08
ウクライナ。よく解っていないし詳しく突っ込まない方が良いのかも知れませんが、そのような物を発行している会社にお勤めで在る、と。あいや、勝手に想像して楽しみますので、お答えには及びません。
絶望の暗澹たる部分については書きませんでしたが、夢の中の僕や、その他大勢の男達の頭の中には認識としては存在していたようです。しかしながら、昂揚感にそれらは払拭されてしまっていたのは、確かにそうです。それには恐怖も入り混じっていたのですが、もしかしてそれらは似ているのかも知れませんね。
夢判断のようなものについては殆ど知りませんが、それが別な解釈や無意味に転がるのは面白そうですね。ただし、あんな極度な昂揚感や恐怖を内包するのは嫌だぁと思っておりますw