日頃僕が呑む酒の九割が日本酒となって久しい。昔なら日本酒は酔いの回りが早いので避けていたところだ。今でも他の酒に比べればそうなんだけど以前ほどは酔わなくなったし、好んで食べる物が日本食寄りになったせいもあるのだろう。味はもともと好きだったから、ようやく日本酒に自分の身体が馴染んできたという感じである。
僕がよく呑むのは銀盤と酔鯨。何れにしてもその酒造製品の中で一番廉いものを選んでいる、というより近所のカクヤスには廉いものしか置いてないから否応なしにそうなる。口当たりが柔らかくて雑味が少なく滑らかに喉を落ちて後味がすっきりとしたものが好きだ。ただしこれは暖かい季節に呑んだ場合の話で、寒い季節に呑むと銀盤は味が濃く感じられるし酔鯨は粕の匂いを感じるようになるのであまり好きではない。しかも燗で呑むのには向かない。これは酒の質が変化してしまうからなのか、それとも僕の体調が変化するからなのかは判然としない。
そこで最近というか先の冬の間に気に入っていたのが立山(トップページからenterで中に入ろうとするとブラウザのウィンドウが全画面表示になるので注意されたし。僕はこういう横暴な造りのサイトが嫌いだ。幸いな事に別ウィンドウで表示されるのでそのウィンドウを閉じれば元の大きさに戻れる)で、寒い季節もすっきり呑める。しかしこれも燗で呑むと少々物足りない。
冬の最中に北風に吹かれると、やはりどうしても燗で呑みたくなる。そして何故だか燗をつけるとなると銘柄の選び方がいい加減になってしまい、適当な銘柄の紙パック物を呑んでいた。しかしながら紙パックというものはどうも気分が萎える。だから今年こそは燗で呑むに適した銘柄を見つけたいと思って幾つか試してみた。燗で呑むには甘めの方が良い気がしたので剣菱を試してみた。普通の剣菱だとちょっと甘すぎる。しかし黒松剣菱だと味が濃すぎる。どうもしっくりこないのである。その他に試した銘柄は今一つ印象に残っていない。そもそも燗をつけて呑む機会が少ないので多くを比べられないのだ。課題を残したまま春を迎えてしまった。
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そう言えば最近では誰も「ポン酒」とは呼ばないな。何故だろうか。因みに僕の故郷で「ポン」は「馬鹿」「阿保」「頭が悪い」が入り交じったようなニュアンスで使われていた。それと日本酒は全く関係ないのだけれどね。
April 10, 2009 at 23:03
こんばんは。
私は秋田の八森にある山本合名の「精選」を夏意外は頂いています。
純米とか吟醸とかじゃないですが、季節毎に違う美味しさを楽しめます。
なにしろ「精選」ですから価格も手頃。
難をいえば都内の酒店では扱いがないので取り寄せになってしまうこと。
開花から満開までの時間があったさくらも、おおおっという感じで花吹雪
になって既に葉桜ですね。
April 10, 2009 at 23:42
うーむ。なかなか明確にヒットしませんがこれですか。
http://sake-store.com/list/detail/?code=n46
確かに価格は手頃。
April 11, 2009 at 21:06
あー、名詞が足りませんでした。
「白瀑」と山本合名で出てくるのですが例えば
http://www.yajima-jizake.co.jp/sirataki.htm
こことかです。
でも、「精選」はほんとに普段酒なので地元の酒屋さんでしか扱っていないのかもしれないです。
白神の湧水からわく水で作られています。
湧水も自然のものは季節毎にアジが違うことが酒で味わえるのです。
期間限定の「ど」はここ数年飲んでいますが、今年より去年のほうがうまかったなあとか、
アジの安定がないのがこの酒蔵の魅力でもあり・・・身内贔屓しての評価でした。
April 14, 2009 at 22:29
なるほどこれですか。地酒というのは大体においてこういう価格設定なのですな。今は全国的に著名な銘柄の廉い酒を試していますが、まだまだ色々在りそうで切りがありません。その「精選」というのは年毎に味が変わって安定しないので地元でしか売らないんでしょうね。品質が安定しないと商売がし難いでしょうから。逆に変化すら楽しめるというのはある種の特権でしょうね。
身内贔屓とは、もしや酒蔵の御親類であるとか?
April 18, 2009 at 22:47
血縁はないのですが、祖父の生まれた場所でした。
水のうまみは酒のうまみ。なーんて生意気なことを。
April 18, 2009 at 23:35
なるほど、お爺さんの生まれた場所、というのが良いですな。水は大事だと思います。