昨日続けて書こうとしたのだが、趣きが違うので別エントリにした。
世の中を見渡すまでもなく普通に生活していれば、身近に接する人達の中にも、目には見えないが確実に存在している不幸を目の当たりにする事がしばしばである。見たくもないのに、何の相談もなく僕の目の前に開かれたそれらは、これまた確実に何かを蝕む。そんな事にはもう本当にうんざりしているのに、わざわざ、というか好き好んで世の中の不幸をただ並べたようなものを観たくないし読みたくもない。状況が違えば別な感じ方もするのだろうけれど、とにかく今は見たくない。
このシリーズ、マンネリで面白みに欠けると言えばそうなのだけれど、蝕まれた心を補強する何かを持っていると思う。殆ど様式と呼んでも差し支えない程の、貧乏や不器用さとそれを笑い飛ばすだけの寛容さに溢れた物語は、ちゃんと世界は成立していたのだという幻想を観る者に与えてくれる。物語の最後には誰かが必ず幸せになり、そして誰かはそれを尻目に旅に出る。こんなにも美しいお伽噺。それを観たなら、僕はようやく安心して眠る事が出来る。
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