- 多くの場合、「自分」より「生活保護受給者」に対し、「最低限度の生活」を低く見積もる傾向がある
- 男性は女性よりも、「最低限度の生活」の水準を低く答える傾向がある
- 女性は男性よりも、「自分」と「生活保護受給者」とのギャップが大きい
- 安定した家庭や職をもつ人のほうが、「生活保護受給者」により厳しい
- 「医者」「スーツ」「町内会のつきあい」は、自分には不要だが生活保護受給者にとっては必要と考える人が多い
- 学生は生活保護受給者に対する寛容度が低い傾向がある
- 「医者」「保険・年金」などは、年齢が上がるほど、生活保護受給者に対して厳しくなる
- 「医者」「浴室」「冷暖房」「携帯電話」などは、年収が上がるほど、生活保護受給者に厳しくなる
一般に、「弱い者たちが夕暮れ、さらに弱い者を叩く」というイメージは強い。ネットメディアなどでもしばしば、「生活保護受給者は甘えている」「もっと大変な人がいる」という書き込みが見られるのだから、きっと、自分自身も生活に困っている者が、他の困っている人の足を引っ張っているのだろうか、と思いがちだ。そうした現実は、もちろんある。でも、実態はもう少し複雑だ。
安定的な職業の者、あるいはそれなりの所得を得ている者たちのほうが、生活保護に対して厳しく評価している。どうもそれは、端的に言えば、「貧困を想像できないから」ということになりそうだ。
荻上チキ・飯田泰之著『夜の経済学』扶桑社 2013年 pp.180-181
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