集団のもの作りにはピラミッド構造がどうしてもできてしまうのです。ゴールを見つけて指示を出す側と、作業を積みあげてゆく側と・・・・・・監督的な立場の人間は問題解決に集中すべきで、現場での技術の習得とは離れた立ち位置にいるのです。閃きの純度を高くキープする。自分でやるとなると自分でできるレベルまで閃きのレベルを落とさなければならなかったりしますから。発注したりアシスタントを養成したりしていると、自分ではできない閃きをあきらめなくてもよい。あきらめないで純度の高いものをひろえるチャンスを手に入れられるのです。

村上隆著『芸術起業論』幻冬舎 2006年 p.101