本屋に寄った際に偶然見かけた「竹久夢二写真館-女-」。その表紙の写真(掲載した画像とは違うのだが)が気になって手に取ってみる。パラパラと捲る。非常に気に入った。これまで竹久夢二の絵にさして興味を持った事はないのだが、写真はとても良い。驚いた事に、写真は竹久の描く絵そのものだった。あの絵は空想の中で捏造した世界であるのではなく、傍に在るもの(女)を描いたに過ぎないのだ。絵の主軸となる諦念感は、やがて戦争へと向かう社会の写し絵ではなく、極個人的な日常の描写であったのだろうか。
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