ギャラリーでのプライマリー・プライスは、同じ種類であれば作品のサイズによります。ほかにも価格を左右する要素として「素材」と「数」があります。
素材とは、ペインティング(油彩画、アクリル画)、ドローイング(線画、水彩画)、エディション(版画等)の違いです。制作に時間と労力を要し、よってアーティストのタブローとしての意味合いを持つペインティングは、価値がもっとも高くなります。ドローイングにも秀作は多くありますが、紙に描かれた線画や水彩画は、基本的にはペインティングより安価です。
もっと安価なのが、複製可能なエディション作品です。アート作品は、世界にたった一つしか存在しないからこそ価値があるのが原則だからです。銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンなど技法はさまざまです。最近では高画質デジタル印刷も版画に仲間入りし、複数製造が可能なフィギュア作品がエディションとなる場合もあります。ただし、複数とはいっても限定制作によって価値が管理されています。この限定番号のことをエディション番号と呼びます。(和田)
小山登美夫著『現代アートビジネス』アスキー新書 2008年 pp.110-111
Leave a Reply