High Fidelity に続いて Nick Hornby 原作の映画。父親の残した遺産(印税)の上に乗っかって、仕事や家族にまつわる全ての責任に背を向けて生きている Hugh Grant 演じる主人公が、シングル・ペアレントやその子供と接していくうちに、自分の空虚さに気づき、それを埋めようとやっきになる、という物語。実は僕、シングル・ペアレントという言葉を初めて知りました。日本ではシングル・マザーとかはよく聞くんですが、シングル・ファザーも余り聞かないし、男女を分けずに言い表す事がないような気がします。
 前半部分で、Hugh Grant が演じる主人公の軽薄さが、身につまされるようで、それでいてとても笑わせてくれます。こういう役はこの人しか思い浮かびません。

 この映画を観終わって思ったのは、家族でも夫婦でも恋人でも支えきれない何かというのは確実に存在し、それを抱えて生きている人達は、その時こそ別な「誰か」を必要としているのだろうな。それも本当に切実に。