このアルバムが僕が初めて手に入れた Miles Davis のアルバムである。実はつい最近になって Jazz を色々と聴くようになった。昔、それは10年くらい前だろうか、試しに Bud Powell あたりのピアノ曲を買って聴いてはみたが、全然自分の中に入って来なかった。ピアノを選んだのは、クラシックだとピアノ曲を聴く事が多かったので入り安いかと思ったのだ。しかし音楽として全く別物であったし、自分が聴く音楽ではないのだろうと、直ぐに離れてしまった。
それから数年の後。何かのきっかけで Cuban Music を聴くようになり、それまで気にして聴いた事のなかったブラスの音に魅力を感じるようになった。それからまた数年が経ち、また試してみようかと思っているところへ、FM で ‘Round midnight という曲を耳にした。それまで感じた事のないカタルシスを自分の中に見つけ、僕は次の週末には CD 屋でこのアルバムを探し当て、その日からは暫くは毎晩聴いていたように思う。今思えば、僕の Jazz への入口はこの曲であった。かと言ってそれから Jazz にハマったかというとそういう事はなく、それから暫くはこのアルバムと Kind of blue ばかり聴いていた。Miles Davis の他のアルバムを聴いたり、他のミュージシャンのアルバムを聴いたりするようになったのは、ほんのつい最近の事である。
’Round midnight を真夜中に聴くのが好きだ。闇に溶け込るようなトランペットの音色を聴いていると、夜と一つになるような気分になれる。
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