DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Tag: walk (page 8 of 12)

山手線沿線を歩く(品川〜田町)

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 少しやり方を改める事にした。道程を出来るだけ明確にし写真も出来るだけ撮る事にした。僕の印象に残っている場面を私感のみで書いていても移動している感覚が全く出ないので、それが面白味に欠ける気がしたのだ。しかし出来るだけ写真を撮るというのが案外難しくて苦労した。普段の僕は目に付いた対象物を目的も無く前後の脈絡も関係無しに、ただひたすらに引いたり寄ったりしながら撮るという姿勢が身についてしまっているせいで、目的に準じた記録をするという行為の感覚が掴み難いのである。それでも何とかやってみたのだけれど、どうやらやたらと長い割には文章が少ないエントリが出来上がりそうである。

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 左上は品川駅前の歩道橋の上から撮った写真。港南口にビル群がそびえ立つ。線路に沿って走る第1京浜(国道15号)を歩きながら右手のビルの隙間からJRの車両が垣間見える。アスファルトと金属とコンクリートしか存在しないような空間を延々と歩いていると殺伐とした気分になってくる。たまに出現する街路樹に絡まる雑多な植物をついつい撮りたくなるというものだ。

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 高輪大木戸跡(高輪2丁目19番)。江戸時代中期の産業交通土木とある。「江戸の南の入口として(中略)旧東海道の両側に石垣を築き夜は閉めて通行止めとし、治安の維持と交通規制の機能を持っていた」こういう戒厳令的な規制によって江戸は守られていたのだな。

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 第1京浜沿いは何処まで歩いてもこのような風景が続く。左下は笹川記念会館の前に建つ笹川良一の像。そして右下の写真のビルに何だかもの凄い威圧感を感じて、一体何処の会社のビルなのか気になったので見てみたら住友不動産であった。

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 札の辻橋。1933年に建造され、2004年に改築された橋。左下の写真は橋の上から路線敷地内を見下ろしたもの。線路脇の雑草の茂り具合が地方の路線を見るようである。都会の真ん中にそれが在るというのがこれまた良い。

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 田町駅の南側。東京工業大学付属工業高校と芝浦小学校に挟まれた場所に位置する。右下は反対の北側の入口。駅全体が把握出来ないしとても判りにくい施設だ。

山手線沿線を歩く(大崎〜品川)

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 左上: 山手通りの目黒川上の橋からの山手線・横須賀線の眺め。この川より先は品川区になるのだが、暫くは車道らしい車道は無く、非常に判りにくい道を歩く事になる。

 右上: 橋を渡るとなだらかな坂が登っていくので暫く歩き進むと脇道があり、良さそうな雰囲気なので入ってみる。どうやらこの先は古くから在る住宅地で道は先細り曲がりくねっている。どう考えても行き止まりになる事は目に見えているのだが、僕はわざと足を進めた。すると案の定前方から自転車に乗ってやってきた50歳くらいの女性に、わざわざ自転車を降りて不審そうな目で見ながら「この先は家しかありませんよ」と言われた。そりゃあ明らかに部外者に見える人間が、公道とは言えほぼ私有地のような感覚でいる場所に入ってきたら嫌だろうなと思う。

 右上: 原美術館。来た事がなかったのでただの記念写真。

 右下: 八ツ山通りを越え、確か品川区と港区の境目辺りにY字路があったので撮る。細長い敷地の端に、街灯と案内板とカーブミラーと交通標識がごちゃっと立てられている様が良い。こういう光景は日が暮れてからが見物である。

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品川駅: 此処に辿り着くまでに高輪の高級住宅地を通ったはずなのだけれど一枚も撮っていない。何故だろうか。記憶を辿れば、結構住人の出入りが多かったような気もするからそのせいかな。

 さて、写真のストックも尽きた。思えば品川に辿り着いたのはもう半年も前の話だ。その頃は毎週とは言わないまでも各週くらいで集中して歩いていたので、写真が溜まって記事にするのが間に合わなくなってしまったので止めておいたのだった。こういうのは逐一記事にしていかないと写真に写っている物以外の事は、よほど印象深い事でもなければ忘れてしまっている場合が多い。外を歩きやすい季節になってきた事だし、そろそろ再開しなければ。

山手線沿線を歩く(五反田〜大崎)

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 左上: 高架上の五反田駅。ホームに停車している電車を見るのは結構好きなのだけれど、それにしてもなんとゴチャついた光景だろうか。東京というのは、街の中心部でもいつも何処かしら大掛かりな工事をしている。造っては壊し造っては壊し。元の姿など誰も覚えていない。

 右上: 目黒川。川沿いの高層マンションというのは夏場はとても涼しそうで良いのだけれど、冬はやっぱり寒いだろうな。それにしても川が黒い。川というより用水路だ。

 左下: 大崎駅の少し手前に在る陸橋の下。こういう場面では大抵写真を撮りたくなるが、大抵失敗する。光の加減がどうしても巧くいかないのだ。天を覆う構造物ってとても魅力的な対象なんだけどな。

 右下: 大崎駅。駅舎ではなく単なる入口なのだけれど、山手線の中ではこういう風に鋼材を剥き出しにして使っているのは珍しい気がする。郊外の駅ならばよく見かけるし、場合に拠っては構造物にレールを使っているところさえ在るくらいだ。

 しかし面白くもない写真ばかり撮ったものだ。基本的に、よほど天候が悪く苛烈な状況でない限り歩くのは楽しい。だがその際に撮った写真を並べて見てみれば、何故こんなにもつまらない事をやっているのだろうと疑問に思う。写真に撮った光景以外に何か記憶に残っていないかと思い返しても何も浮かばないし、そのあまりのつまらなさに記事を書くのも億劫だ。でもやはり、面白かろうと面白くなかろうと、一応は全部見ておきたいし歩いておきたいんだよねえ。

山手線沿線を歩く(恵比寿〜目黒〜五反田)

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 左上: 山手線の線路とその向こう側に恵比寿ガーデンプレイスを眺めながら、緩やかな坂道を歩く。どうでも良い写真だが説明の為に一応載せておく。何の説明なのかは後述する。

 右上: 整備された街を歩いていると時折こういうのを見かける。しかし大概はその土地の区や施設の名称が彫り込んであるものだが、これはそういうのは一切無かった。絵柄は周囲の風景にそぐわないし、一体どういうつもりの物なのかが不明。

 左下: 街の片隅に、こういった感じで街灯や電柱や信号機やカーブミラーが佇んでいると、思わず写真を撮ってしまう。物を擬人化するのは余り良くない習慣だとは思うのだが、どうしても止められない。

 右下: ガード下の踏切。複雑な障害物が進路を執拗に妨げる。恐らく自転車や何かで、ぎりぎりのタイミングでこの踏切を突っ切ろうとする輩がたくさん居るのだろう。そんな気分になるのは解る気がする。
 さて、左上の写真の右側には、余った土地を無理矢理に利用したような、ただただ整備しただけのつまらない公園がある。公園と言えども地べたは土ではなく全てインターロッキングに覆われ、ベンチが二台と意味のよく解らないオブジェのようなものが設置された、とても憩う気分にはなれないような空間。僕は其処で俄には信じ難い光景を目にしたのである。
 二台あるベンチの内の一つに一人の女が座っていた。髪型や肌の白さや大きな目が緒川たまきに似たその女性は美しく、この日の天候の穏やかさを慈しむが如く微笑んでいた。そしてその両膝には男が半身を投げ出し顔を埋めていたのである。彼女の左手は男の肩に置かれ、右手は男の髪の毛を優しく撫で続けていた。大きな公園、例えば代々木公園や新宿御苑ではこういう光景をたまに見かけるし、いーなあ羨ましいなあ俺もあんな風に女に優しくされてえなあと涎をダバダバ垂れ流すくらいで済む話なのだけれど、今回は少し事情が違う。何が違うかと言えば、その男はどう見ても一般的には浮浪者と呼ばれてしまうような出で立ちであったからである。
 薄汚れたブルゾンにこれまた薄汚れたスウェットパンツにスニーカー。そのどれもが元の色が判別出来ないくらいに退色している。ベンチの傍らには僕が中学生の頃に乗っていたようなかなり古いタイプの自転車が駐めてあり、荷台にはダンボール箱に色々な物が詰め込まれた状態で括り付けてある。女の膝に埋まっているので顔は判らない。しかし彼女が撫で続けている髪の毛が白髪混じりな事から、男は中年以上の年齢であるのだろう。僕は狼狽しながらも目が離せずにいた。何故だ。何故この組み合わせが成立しているのだ。僕はその現実離れした光景に目を奪われ、その場に立ちつくしていた。
 そのまま見つけている訳にもいかないので僕は取り敢えず彼らの前を通り過ぎた。しかしどうしても気になる。このツアーでは、行き止まりでもない限り後戻りする事を自らに禁じていた僕であるのだが、今回ばかりは戻った。一度戻り、再びコースに乗る為にもう一度通り過ぎた。その際に女と目があった。その目に拒否の色が見て取れたので僕はそのまま歩き去らざるをえなくなった。後ろ髪引かれる思いとはまさにこの事である。僕はこの二人に物凄く興味を持った。何なら写真を撮ってインタビューでもしたいくらいである。彼らの背景に物凄く濃厚な物語の存在が伺えて、その予感に強く惹かれるのである。しかしながら、その物語の中に僕が足を踏み入れるのは非常に失礼な気がして、僕は歩き去る事にした。

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 : 右側の線路と左側の住宅地へと伸びる二股に挟まれる形で設置された公衆電話ボックス。公衆電話自体が急激に減っているこのご時世だが、このボックスは当分残されているような気がする。立地条件がとても良い。手前に立つ樹木が何なのか確認し忘れたが、桜のような気がする。春も盛りの真夜中に、街灯に白く浮かび上がる桜に身を隠しながら、恋い焦がれる誰かに電話したくなる絶妙な舞台装置だ。今時そんな人は居ないかも知れないけど。

 : 五反田駅。何の面白みもないどころか、荒んだ気持ちになる面構えだ。

 恵比寿で見かけた二人の事が余程気になって頭から離れなかったのか、目黒駅の写真を完全に撮り逃している。

山手線沿線を歩く(渋谷〜恵比寿)

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 渋谷駅の南側、国道246号線・高架上に首都高速3号線を渡り恵比寿駅方面へ歩く。渋谷駅周辺はグラフィティやそれに及ばない落書きが本当に多い。他の街に比べて若い連中が集う比率が大きいからだろうか。出来の如何を問わず、許可を受けていない場合には当の建物の持ち主にとっては質の悪い悪戯に過ぎないであろう。全くの部外者が眺めれば結構面白いんだが、個人宅に落書きするのは止めた方が良いと思う。かく言う僕は、小学校低学年の頃に余所様の家のブロック塀を、煉瓦の破片をクレヨンのように使って赤く塗り上げた事がある。勿論酷く怒られた。共犯者の中にその家の子供が混じっていたので怒られるだけで済んだけど、消すのが大変だったな。
 右上の写真の直前くらいに、店舗は割と大きいが立地と店の向きがひっそりとした美容室があり、ちょうど僕が通りかかった時に、店内からスタッフ2人に見送られて物凄い美人が出てきた。その姿を惚けて見ていたら目が合ってしまい、その美人は急ぐように歩き去ってしまった。別にどうでも良い話ではあるが、思い出したので書いておく。

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 恵比寿に近づくにつれて往来を歩く人と落書きの数は減っていく。恵比寿だってそんなに小さな街ではないが、誰でも彼でも「取り敢えず恵比寿に行こう」という発想にはならないと思う。だから人が少ないのだろう。その分歩きやすくて良い街だと思う。個人的には東京都写真美術館くらいしか当てにする場所がないので滅多に行かないが。しかし滅多にしか行かない為、以前来た時に入った店にもう一度入りたいと思っても潰れている事が多い。僕にとってはなかなか付き合い辛い街である。

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