DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

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床屋とサンデーソングブック

 近所の床屋に通うようになって随分経つ。その床屋は基本的に主人夫婦で営んでいて、何年か毎に入れ替わるインターンがそれに加わる。ずっと前は先代の爺さんが昔馴染みの客が訪れた場合のみ鋏を握っていたが、何年か前に完全に引退した。余りにも長い間通い続けていると、この店の推移までも見て取れるので、妙に感慨深い気持ちになったりもする。

 この店は自宅が併設されており、そのどちらも二階建てである。つまり店の二階にも散髪台が在る。そしてこの空間がとても気持ち良くて、それ目当てで通っていると言っても言い過ぎではない。道路に面した大きな窓からは惜しみない陽光が入り部屋を満たす。そしてどの季節に訪れても絶妙な空調が客をもてなしてくれる。一体どうすればそんなにも心地良い設定が出来るのか不思議に思えるくらいだ。空気がとても柔らかく、まるで微睡みの為に作られたかのようだ。
 そして更には、店内にはいつも東京FMが流れていて、僕は日曜の午後に訪れる事が多いせいか、山下達郎のサンデーソングブックがよく流れている。これがまたとても具合が良くて、もともとFMの音は柔らかくて好きなのだが、放送する音源自体を山下達郎が拘ってリマスターしている(具体的にどうとかは解らない)からか、耳心地の良いオールディーズが開放的な気分にさせてくれるのである。正に日曜日。幸いな事に主人は無駄に話しかけてこないので、思う様この状況を満喫出来る。

 髪の毛を洗って貰ったり切って貰ったりする環境としてこれ以上はないような気がしている。だからこそ僕はこの店にずっと通い続けているのだし、これからも通い続けるだろう。こういう自分の身体に直接触れるような場所では、ほんの少しでも不快な要素があると自然と遠のいてしまうものだ。その要素が見当たらないのだから、自分の生活の中に変わることなく残しておきたいのである。

Welcoming Morning / Chappie

 初めて Perfume を聴いた時にこの曲を思い出した。発売されたのは1999年。当時どういう宣伝のされ方をしていたのか思い出せないが、歌い手が公表されていないので架空のキャラクターユニット「 Chappie 」として売り出されていたような気がする。確か渋谷LOFTの一階にWAVEが在った頃に買った。買ったはずなんだけど何処を探しても見当たらない。そうなると悔しいので、さっきマーケットプレイスで中古品ポチっておいた。まともに聴いた事はなかったアルバムも一緒に。Wikipedia での記述に由れば公表されていない歌い手を推測される人もおり、そこにもあるように、作詞:松本隆・作曲:細野晴臣・編曲:Tin Pan Alley の「七夕の夜、君に逢いたい」を歌っているのは、どう聴いても森高千里である。

 これって当時は全然売れなかったらしいのだけれど、今再発したら売れるんじゃないだろうか。何故か未だに公式HPは残されているし。

夜の煙突 / 森高千里+カーネーション

 余所のブログで紹介されていたものだけど、とても良いので引っ張ってきた。元々はカーネーションナゴムレコード在籍時に出した曲で、後に森高千里がカヴァーしたもの。僕は全然知らなかったが、結構有名であるらしい。ニコ動でだけど、こちらが元曲(但しレーベル移ってからのセルフ・カヴァーみたい)で、歌詞はこちら

はしごをのぼる途中で
ふりかえると僕の家の灯りが見える

 というところが良い。まさしく自分がそうしている状況を想像すると、かなり良い。

あまい囁き

 TR2 Tuesday を聴いていたところ、番組内でこの曲が紹介されていた。パローレ、パローレ、パローレというやつである。紹介されていたのは中村晃子と細川俊之のものだが、僕が昔子供の頃に最初にこの曲を聴いたのはイタリア語だったと記憶しているし、一番有名なのはダリダとアラン・ドロンのフランス語バージョンであるだろう。それらを順番に並べてみた。

ミーナ & アルベルト・ルーポ

ダリダ & アラン・ドロン

中村晃子 & 細川俊之

 イタリア語バージョンは格好良いな。男女の表情の落差、というか男女の間の溝の深さがよく現れていてとても良い。それに引き換え日本語バージョンは、どうしても笑ってしまう。みうらじゅんも恐らくそういうつもりで紹介していたし、何故なのだろうか。それはやはり生活習慣の違いなのだろうか。

 Parole, Parole, Paroles ! 

サラマンドラ

 子供の頃に見聞きしたもので、大人になった今でも記憶に残っていて、度々思い出しては当時と同じような強烈な気分に陥るというものが在る。子供というのは何ら防御する事なく、真っ正面から受け止めてしまうので、良くも悪くもその印象が心のど真ん中に刻印されてしまうものだ。NHK「みんなのうた」で流れていた「サラマンドラ」という歌は、僕にとってはそういうものの一つだ。

2014.09.25:残念ながら該当動画が削除されてしまったようなので、誰かがカバーした動画を載せておきます。

 歌っているのは尾藤イサオ。尾藤イサオと言えば「あしたのジョー」の主題歌だが、それと同じテンションで歌い上げる。そのはらわたを震わすような声におののいていたというのもあるが、歌詞の現すそれまでに感じた事のない淋しさに、小学校に上がったばかりの僕は打ちのめされてしまったのだった。この世に、そんなにも甚大で強烈な淋しさが存在するという事が信じられなかった。そう言えばその当時、この歌を好きだったのかどうかよく判らない。でも、とにかく、僕に重くのしかかってくるその歌に耳を塞ぐ事は出来なかった。
 大人になった現在、そのような淋しさが現実に存在する事は知っている。その存在を消す事の出来ぬ事実として受け容れる心構えも一応はある。それでも尚、この歌の歌詞を聴いていると、やりきれない気持ちで一杯になるのである。アニメーションの可愛らしさが唯のの救いであるが、NHKはどうして、このような歌を子供向けの番組で流そうと考えたのだろうか。それこそが教育だと思ったのだろうか。それはたぶん、正しいような気がする。

 余談:この映像、僕の記憶にあるものと少し違う気がする。僕の記憶では「こぼれる炎ぐちひとつ」のところで、サラマンドラが夜空に向けてポッと小さな炎を吐いていたと思う。別バージョンでもあるのかな。

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