ひとつには、本書は患者のみならずその家族や周囲の人々に読まれるように書かれている。その中で(そうなりがちではあるが)こういったアドバイスや言動は患者にとっては逆効果だ、という事例が幾つか挙げられているが、そのどれもを僕はかつての知人達に言ってしまっていた。しょっちゅう顔を合わせるような深い付き合いではなかったので、尋常とは思えない相手の様子に驚いてつい口に出してしまうのだけれど、確かに無知であった。
摂食障害の専門医は今を持っても少ないとある。となれば適切な治療方法や、周囲の協力の仕方などに関して知識を持つ人を身の回りに探してもなかなか見つからないだろう。アマゾンでも推されているようなので、この分野に興味を持つ人には手に取りやすくなっているとは思う。しかしそれだけでは全然間に合わないように思う。問題に直面した人が全員、積極的に知識を得ようと書籍を紐解くとは思えない。どちらかと言えば少ないのではないだろうか。患者本人だけでなく周囲の人達にしても、なかなか認めたがらないような気がする。認知する際のストレスを出来るだけ少なくしようと思ったら、例えば摂食障害をテーマにしたテレビドラマを制作して、単発ではなく一定期間をかけて放送するとか、そういう方法が必要ではないだろうか。民放では難しいだろうから NHK で。
Recent Comments