今日は朝から熱っぽく、それでいて午後から六本木・恵比寿・青山を歩いたので、途中何度も休まなければなりませんでした。アスファルトの上、シャツを汗で汚しながら歩く僕は、自分の身の上をほんの少し案じたりしましたが、どちらに転んでも結局大した事はなさそうなので考えるのをやめました。東京メトロ日比谷線。もう放課後の時間なのか、何処かの女子高の生徒達がたくさん乗り込んで来る。僕のすぐ側に立った三人組は、これから渋谷にでも出るのだろう、一様にスカートをたくし上げ短くしている。彼女達の即席の戦闘服だ。電車が揺れ、その内の一人の子がバランスを崩し僕に寄りかかってきた。「すみませーん。」よそ行きの声で見上げてくる。反応するのが面倒で、僕は気付かない振りをした。外界を遮断するつもりはなかったが、行動の稚出さが癪に障る。薄暗いコンクリートの壁を眺めるのに飽きた僕は、鞄から本を取り出し読む事にした。現在、恵比寿駅内にある本屋で買った、吉田修一の ” 最後の息子 “を読んでいる。