DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Month: March 2007 (page 2 of 2)

女子カメラ

 今日、はてな匿名ダイアリーで女子が持つカメラとして何が適当か、という本当にテキトーな話題が幾つか見受けられた。Lomo LC-A であるとか Lomo Smena 8 であるとか、要は自分の領域にだけは入り込んで来て欲しくないと言っているように思えるが、それは物凄く解る。僕だって嫌だ。

 さて、それとは別に数年前の話。新宿のミヤマ商会(中古カメラ屋)で何かしらカメラを物色しようと足を運んだ。店の入口まであと数歩というところで、入れ違うように店の中から20代半ばくらいの背の高い女性が出てきた。手にしているのは、今まさに買ったばかりであろう中古の Mamiya M645 。嬉しそうにカメラを弄りながら歩き去って行った。格好良いなあ、と見とれつつも軽く嫉妬する。
 絶妙なのは、持っているカメラが6×7でもなく8×10でもなく、ましてや4×5でもないところ。それに買って直ぐさま、家に着くまで待てずに弄り初めてしまうところ。そんなところに好感を持ってしまうのである。いやしかし、この文章ってば誰かしらから非難を浴びそうな気もするな。でも仕方ないのである。カメラとはただの道具に非ず。車やバイクと同じく、自分の価値を計る器機としても存在しているのである。

追記 2007.04.21 : 上記の記事を書いた後に「女子カメラ」なる雑誌が販売されている事を知った。女子が使うデジタル一眼レフカメラとそのテクニックの特集本のようなのだが、興味が持てない。そりゃまあ、男であり若くもない僕が興味持てなくても誰も困りはしないのだけれど。さて此処では、偏った嗜好を持つ男の立場から選んだカメラを列挙しておこうと思う。

 トイカメラが三台にコンパクトカメラが三台。こんなところだろうか。因みに Matryoshka は LSTY 氏の推薦である。以前に氏が持っているのを見かけたのだが、その時は写真を撮る事で頭が一杯で詳しく訊かなかった。しかしこんな事を記事に書いて一体誰の役に立つのだろうか。役に立つとすれば「主流のカメラには目もくれずクラシックカメラや妙に高価なカメラにしか興味を持てない男」にモテたいという目論みを持った稀少な女子だけだろう。それ意外の人には恐らく一切関係ない。

春風

 休日だというのに、平日と同じ時刻に目が覚める。そのまま二度寝しようと思っていたのだが、口の中に昨夜の酒の味が残っていたので、つい起き上がって歯磨きをしたら眠くなくなった。寝ているのと起きているのでは、どちらが休日を有効に使えているのか暫し考えてみる。よく分からない。

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 今日は一日曇りなのかと思っていたら、この時間になって晴れてきた。洗濯物を干すにはうってつけな天気だ。そして現在、我が家では洗濯機が景気良く回っている。

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 木造三階建ての「本郷館」が4月に取り壊されるらしい。今月中に見ておかなければ。

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 暫く前にアリステア・マクラウドの「冬の犬」を読んでいたく気に入る。何となくガルシア・マルケスに似ているような気がする。もう一つの短編集と長編も是非とも読もう。
 それはそれとして、通常ならば帯に書かれるであろう各紙・各人の書評を表紙に印刷するのは止めて貰いたい。米紙の「すばらしい読書体験。マクラウドはあきらかに独特の文学的表現がある。」などという既視感さえ伴う使い古された言葉は要らん。そんなものは見た瞬間ゴミ箱に捨てたくなるのに、表紙に印刷されていたら捨てられないじゃないか。

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 使い古された言葉で思い出したが、現代日本では死語と成り果てた「フェロモン」とう言葉の意味についてもっと正確に知りたいと思って Wikipedia で調べてみたりして遊んでいたら、面白い記述を見つけた。

プライマーフェロモン
 主に口径受容され、その個体は内分泌腺から発育に影響を与えられるものである。
 ハチやアリなど社会性昆虫は階級分化物質や女王物質と言われるものによって、階級社会の形成と維持をしている。女王バチが発する女王物質(queen substance)は、他の雌の卵巣の発育が抑えられて、働きバチとしての行動を起こすようにするよう働く。もし、女王が死んだ場合、この物質の供給が途絶えるので、働き蜂や幼虫の中から生殖能力のあるものが現れ、新たな女王となる場合もある。

 「女王物質」という名称も凄いが、その機能も凄い!こういうのを読むとワクワクしてくる。

 あ、で、話は戻って、何故フェロモンなんて言葉を調べようとしたかというと、ある日電車の座席に座っている時に、隣に座った30歳くらいの女性から、腋臭ではないし汗の匂いでもないし勿論香水の香りでもない匂いが濃厚に漂ってきて、それがどうにも艶めかしい気分にさせるので、頭の中で警笛が鳴り響くのを堪えつつ「こ、これがフェロモンてやつか?」と疑問に思ったからである。もっと正確に言うと、この状況で「フェロモン」という言葉を使うのが適切なのだろうかと思っただけの話である。

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 暖かな日々。今年の冬は楽勝だった。このくらいだったら堪えられるなあ。

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 それはそうと、女子高校生達がスカートの下にジャージを穿くという奇行を働かなくなったので嬉しい。以前にも同じような事を書いた覚えがあるが、あの絶妙なスカートの丈はどうやって算出しているのだろうか。もしかしたら友達に階段の下から見てもらって「あと1センチ上げてみて。」「あー、それだと見えちゃうから5ミリ下げてみて。」とかやって確認しているのだろうか。
 それに比べ、男子高校生達のズボンの下げ幅は結構適当な気がする。「もーちょい下げても良いんじゃね?」「わはははっ 足短けー。」「おいおいシャツ上げんなよ。ギャラ毛見えんだろ。」とこんな感じで。

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 春即ち発情期である。

幸福という創造物

 つい先ほど、イトーヨーカドーで慎ましい夕食を買い求めて部屋へ戻るべく踏切を渡ろうとしていた時、擦れ違った男子中学生が携帯電話で誰か向かってこう話しているのが聞こえた。「ご飯ある?」相手は母親であろうか、学習塾の帰りなのかよく判らないけれども、これから帰る家に何かしら期待が持てるというのは幸せな事だなあ、と思う。
 そう言えば、ずっと以前に青山のワタリウム美術館で売られているポストカードを眺めている時に見つけた一葉の写真を思い出す。何処か外国のビーチで撮った写真で、高い位置から幼い男の子が父親の胸へ向かってダイヴする瞬間を写していた。男の子は父親が自分を受け止めてくれる事を一瞬たりとも疑う事なく満面の笑顔で飛び降りている。父親は少しだけ困ったような表情を浮かべながらも、逞しい上半身を輝かせながらしっかりと腰を据えて息子を受け止めようとしている。僕はカードを棚に戻す事も忘れてずっと眺めていた。

 このような写真を撮りたいなあ、などと時折思う。しかし実際にはこれとは凡そ反対の要素を持つ写真ばかりを撮ってしまう。それはそれで仕方ないと思ってはいるのだけれども、いつの日にかそんな写真を撮る事が出来たならば、己の死が間近に迫る日々を、その写真を眺めながら過ごしたいと思う。自分はそんな幸福な世界を生きて来たのだと、自分を欺いてでも、そう思いながら死にたい。

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