DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Month: December 2004

ラジオの声

 休日の午前中は部屋でFMを流している事が多い。しかも目が覚めたらすぐにチューナーの電源を入れる。かと言って直ぐにベッドから起きあがる訳ではない。微睡みの中で、スピーカーから聴こえて来る、低く絞られた音を聴いているのが好きなのである。内容なんか全然聞いていないし、曲もうろ覚え。耳障りの良いラジオの声を聴いているだけで良いのだ。
 しかしこれはAMではダメである。AMの音は不快に感じる。詳しく調べた事はないが、FMの方が断然気持ち良い。例えばこのサイトなんかを読むと、AMはノイズに弱い性質を持ち、FMはノイズに強いという事らしい。しかし、それだけでは説明し切れない部分があるように思える。

 この習慣は高校の時から有る。ラジオが自分の部屋に無い時期もあったから、その間はこの習慣を、自分自身忘れてしまっている。今この部屋に在るチューナーは今年になって買ったものだが、それまで僕の部屋にラジオは数年間無かった。それがある時、何となく自分の部屋でラジオが聴きたくなって、秋葉原に出向いてチューナーを買って来た。それからは時々電源を入れては何となく聴いていて、でも起き抜けに聴く事は無かった。
 ある朝、何となしにラジオをつけて、スピーカーから聴こえてくる音に耳を澄ますと、何とも言えない安心感に包まれるのを感じた。その時聴いていたのは J-WAVE の番組でクリス智子が喋っていた。彼女の柔らかな声が非常にツボであった。それが余りにも気持ち良くて、それからは休日の午前中はラジオの声を聴きながら微睡む、という習慣がついてしまった。そう言えば高校の頃聴いていたのも、FM福岡の朝の番組(確か土曜日)で女性のパーソナリティだった。

Lali Puna

 一番新しいアルバムの「 Scary World Theory 」を今年の初めくらいに、新宿のタワーレコーズの店内で流れているのを耳にした。それまで耳にした事のない種類の音で、何となく気持ちが良い。店内のモニタに Now on air なアルバムのジャケットが映し出されていたので、それで確かめ店内をぐるぐる探し回った。店員に訊けば早いのだが、何故か僕は自分で探そうとしてしまう。ようやく見つけ、買って帰った。

 言ってみれば、脱力し切った女性ヴォーカルの周りでピコピコ、チリチリ、ガッシュガッシュ鳴っているような音楽である。時々ドラムが入る。肉体的な要素はヴォーカルしかない。しかし、これが気持ち良いのだ。精神的に疲れ気味で「何もしたくねーなー。」などと呟きたくなる時には最適な音である。全体的に抑えられた音色で、訴えかける要素の少ない音楽であるハズなのに、音の微粒子が脳を刺激して快感を産む。ぼけーっと横になってヘッドフォンで聴いたりするのに適している。
 このバンドが僕の最近の流行りである。なのにこのバンドに関しては殆ど何も知らない。ドイツのミュンヘンのバンドだという事くらい。元々僕が、必要のない知識を掘り下げるような性格ではないのも、理由としてはあるのだが。

Lali Puna Official Site

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