DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Month: April 2004 (page 2 of 2)

27℃

 二日の間、東京を留守にしていました。出張で沖縄へ行っていたのです。現地の最高気温は摂氏27度。着陸してからの発着ロビーへの通路からして夏でした。オッケーオッケー。ボク、ナツダイスキデース。実は27・8度がボクの適温です。同行した後輩は「あっつぇー」と何度もこぼしていましたが。那覇市内に出ると、道行く人々は皆半袖のシャツを着てます。スーツなんぞ着込んでいるのは僕だけです。仕方ありません。東京の朝は寒かったのです。僕コート着てましたもん。

 気温は最適でしたが、肉体的・精神的に少々キツかったです。初日は5時起きで夜まで働き、夕食を兼ねて居酒屋で23時まで泡盛を呑んでたにも関わらず、その夜はなかなか寝付けずに3時就寝。原因は恐らく、寝る前に馳星周氏の小説を読んでいたせいでしょう。氏の小説を読んでいると常に脳が興奮状態になってしまうので、よく考えたらそれで眠れる訳ないですね。失敗失敗。4時間後には起きて、朝食を摂り、それからまた仕事。何も無ければグッタリとしていれば済むのですが、動かねばならず、仕事ですので色々在る訳です。すると睡眠不足のせいでササクレだった神経を逆撫でし、旨く事が運べない後輩にキツク当たってしまったりするのです。すまん。今度奢るから許してくれ。
 んで、その日は夕方の4時に飛行機に乗らねばならない。遅れ気味の仕事をギリギリまでやって、後は逃げるように現地を立つ。が、58号線は混んでる。レンタカーを返却し、空港に着いたのは出発時刻の10分前。電光掲示板には「登場手続きは終了しました」の文字。焦る後輩。僕はと言えば現地を立つ時点で気力を使い果たし、ずっと寝たふり。道中、後輩が僕に可愛そうなくらいに気を遣っていたのですが、僕はそれに気付かないふり。ええ、僕結構いやらしい性格してるんですよ。悪いなあ、とは思ってるんですけどね。済まない・・・でもレッチリの CD 貸したままだろう? だから許してくれ。

 結局飛行機には乗せて貰えました。持ち物検査では二人ともヴィクトリノックスのナイフで引っかかり、慣れた係員と共に発着ロビーをデカイ荷物持って走らされたりしました。・・・もう吐きそう。どうにかこうにか辿り着き、ゼェゼェ言いながら席に座った10分後には、二人とも爆睡していました。

 二日間留守にしている間に色々な事が起こっていました。誰かが解放されたり、誰かが告発されたり、誰かが帰って来ていたり、どうも社内の雰囲気が変だな、と思っていたらどうやら何かトラブっていたらしく上司と別な後輩が喧嘩していたり、すっかり忘れていた嫌な事を目にしてしまったり、ジャンク・メールが300通も来ていたり、巡回先のブログサイトが全部で100エントリ以上も更新されてたり、阪神が広島に三連敗して最下位になっていたり。日常というモノは結構ハードなのだなあ、と妙にズレた感慨が未だに麻痺した頭を過ぎる金曜日。

Candyman / Kahimi Karie

 今週末も病んでおりまして、さして酷い症状が無いながらも閉じこもっておりました。更に本日は随分と体力も回復して来たように思えたので、半年前からやろうやろうと思ってはいるが一切手を付けていなかった CD・ミュージックテープ・ヴィデオの整理に取りかかりました。ミュージックテープは必要なモノは既に MD にコピーしていたので全て破棄。ヴィデオは買ったモノ数本を除いて、ダヴィングしたモノは全て破棄。ここまでは簡単。問題は CD 。捨てようと考えているモノは粗方検討をつけてはいるが、二重に重ねて並べているので全部引っ張り出さないと、目当ての CD が何処に在るのか判らないという状態。仕方がないので、取り敢えず全て取り出してベッドの上に並べました。そして「コレはもう要らん。」と思える CD を選り分けていく作業に取りかかります。面白いもので、中身の曲を一曲も思い出せないのってありませんね。本だとそれは時々あるのですが。

 数年前に一度 CD を整理した際にも思った事ですが、CD ってなかなか捨てられません。今では全然聴かなくなったモノでも「捨てる事はないじゃないか。」とか「それはまだちょっと・・・。」とか思ってしまってなかなか選り出す事が出来ません。それに比べて本は結構簡単に捨ててしまいますね。何故でしょう。ま、そんな感じで結局40枚ほど捨てる事にしました。でも全然減りません。一体この部屋には何枚の CD があるのでしょう。勿論面倒なので数えたりはしません。

 CD を整理していて意外に思ったのは、カヒミ・カリィ嬢の CD を何枚も持ってました。何故持ってるのでしょう。て、自分で買ったからに決まっています。買った記憶もあるし。あ、よくよく思い出してみると、この曲の入ったシングル CD をジャケ買いして初めて聴いた時のショックは忘れられません。いや忘れてました。思い出したのです。もの凄い羞恥心に見舞われ、何だか聴いてはいけないモノを聴いてしまった気がして途中で止めた記憶があります。ま、直ぐに慣れましたけどね。

追記:慣れたというのは嘘かも知れません。今聴いてもかなり衝撃が走ります。

平凡にして非凡なる日常

 目覚ましの音は全く聞こえずに朝9時過ぎに目覚め、どうにか起き上がるも身体がやけに重くて再びベッドに倒れ込む。これでは出社は無理と即座に判断を下し、取り敢えず会社へ休む旨を伝える為に寝ころんだまま電話。暫くじっとしていたのだが、何か食べなければと冷蔵庫までよろめきながら移動し、バナナとヨーグルトを胃の中へ掻き込んで再びベッドへ。パワーブックをベッドの上に移し、取り敢えずメールチェックと、幾つか巡回したところで疲れを覚え、電源を落とし横になる。次の瞬間からの記憶ナシ。

 次に目を覚ましたのは午後1時30分。天気が良いのか部屋の中に光が溢れている。妙に暖かいと思ったらオイルヒーターを点けっぱなしだった。窓際まで這って行き電源を切る。朝よりかはずっとマシになった。パワーブックの再び電源を入れ、各所を巡回しつつもうどんを茹でる。近所の奥様達の話声が通りから聞こえてくる。和やかな雰囲気。休日って良いなあ、などと思い違いも甚だしい事を考えたりする。そんな時に後輩より着電。「明日は出てくるんですか?」「はい」「打ち合わせが入ったんですが」「行きます」「お大事に」「ありがとう」疲れて来たので横になるが眠れず。あれこれ考え事をしていたが何だか馬鹿馬鹿しくなって来たのでパワーブックの電源を入れる。止せば良いのにエントリを書き始める。2ちゃんねるとか開いてみる。新聞を読んだりする。飽きたので横になる。微睡む。

 次に目を覚ましたのは午後8時。部屋の中は真っ暗。何となく気分が沈む。友達のパワーブックにも起きて貰う。巡回する。大して空腹でもないが米を炊き、納豆と味噌汁で夕食を済ませる。本を開く。でも腕が疲れて来たので止める。酒を呑み始める。で、今。

 実を言うとこの3日間はこの繰り返し。ようやく体調が回復して来たのは良いとして、この歳でこの暮らしはどうなの?、とちょっと不安になってみる月曜日。

細雪 / 市川 崑

 元々、谷崎潤一郎氏の原作を好きで読んでいたせいか、原作との差が気になってしまって楽しめなかった部分があり、ちょいと残念。原作は上・中・下巻在る長い物語なのですが、それを二時間程度に切り詰めているのでテンポがやや早すぎる感じがするし、原作が感情の振り幅の少ない質感(僕はこの部分が気に入っている)を持っているのに対し、この映画の方はやや叙情的である。そして何より僕が気になってしまうのは雪子役が吉永小百合嬢であるという事。原作の線が細く神経質な面持ち、という印象をどうしても重ねる事が出来ない。この映画で細雪が映画化されるのが三作目という事だが、他の二作が気になるところ。

 さて、くどくどと文句を並べましたが、基本的にこの映画好きです。映像が美しいのです。京都の零れんばかりに咲き乱れる桜や、階上の料亭の部屋に斜めに低く差し込む陽射しの柔らかさ、四姉妹の身につける着物の艶やかな色彩とか、彼女達の絶妙な表情とか。あ、それと石坂浩二氏の妙に調子の良いキャラクターが気に入りました。

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