DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Category: Hobby (page 11 of 16)

山手線沿線を歩く(五反田〜大崎)

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 左上: 高架上の五反田駅。ホームに停車している電車を見るのは結構好きなのだけれど、それにしてもなんとゴチャついた光景だろうか。東京というのは、街の中心部でもいつも何処かしら大掛かりな工事をしている。造っては壊し造っては壊し。元の姿など誰も覚えていない。

 右上: 目黒川。川沿いの高層マンションというのは夏場はとても涼しそうで良いのだけれど、冬はやっぱり寒いだろうな。それにしても川が黒い。川というより用水路だ。

 左下: 大崎駅の少し手前に在る陸橋の下。こういう場面では大抵写真を撮りたくなるが、大抵失敗する。光の加減がどうしても巧くいかないのだ。天を覆う構造物ってとても魅力的な対象なんだけどな。

 右下: 大崎駅。駅舎ではなく単なる入口なのだけれど、山手線の中ではこういう風に鋼材を剥き出しにして使っているのは珍しい気がする。郊外の駅ならばよく見かけるし、場合に拠っては構造物にレールを使っているところさえ在るくらいだ。

 しかし面白くもない写真ばかり撮ったものだ。基本的に、よほど天候が悪く苛烈な状況でない限り歩くのは楽しい。だがその際に撮った写真を並べて見てみれば、何故こんなにもつまらない事をやっているのだろうと疑問に思う。写真に撮った光景以外に何か記憶に残っていないかと思い返しても何も浮かばないし、そのあまりのつまらなさに記事を書くのも億劫だ。でもやはり、面白かろうと面白くなかろうと、一応は全部見ておきたいし歩いておきたいんだよねえ。

山手線沿線を歩く(恵比寿〜目黒〜五反田)

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 左上: 山手線の線路とその向こう側に恵比寿ガーデンプレイスを眺めながら、緩やかな坂道を歩く。どうでも良い写真だが説明の為に一応載せておく。何の説明なのかは後述する。

 右上: 整備された街を歩いていると時折こういうのを見かける。しかし大概はその土地の区や施設の名称が彫り込んであるものだが、これはそういうのは一切無かった。絵柄は周囲の風景にそぐわないし、一体どういうつもりの物なのかが不明。

 左下: 街の片隅に、こういった感じで街灯や電柱や信号機やカーブミラーが佇んでいると、思わず写真を撮ってしまう。物を擬人化するのは余り良くない習慣だとは思うのだが、どうしても止められない。

 右下: ガード下の踏切。複雑な障害物が進路を執拗に妨げる。恐らく自転車や何かで、ぎりぎりのタイミングでこの踏切を突っ切ろうとする輩がたくさん居るのだろう。そんな気分になるのは解る気がする。
 さて、左上の写真の右側には、余った土地を無理矢理に利用したような、ただただ整備しただけのつまらない公園がある。公園と言えども地べたは土ではなく全てインターロッキングに覆われ、ベンチが二台と意味のよく解らないオブジェのようなものが設置された、とても憩う気分にはなれないような空間。僕は其処で俄には信じ難い光景を目にしたのである。
 二台あるベンチの内の一つに一人の女が座っていた。髪型や肌の白さや大きな目が緒川たまきに似たその女性は美しく、この日の天候の穏やかさを慈しむが如く微笑んでいた。そしてその両膝には男が半身を投げ出し顔を埋めていたのである。彼女の左手は男の肩に置かれ、右手は男の髪の毛を優しく撫で続けていた。大きな公園、例えば代々木公園や新宿御苑ではこういう光景をたまに見かけるし、いーなあ羨ましいなあ俺もあんな風に女に優しくされてえなあと涎をダバダバ垂れ流すくらいで済む話なのだけれど、今回は少し事情が違う。何が違うかと言えば、その男はどう見ても一般的には浮浪者と呼ばれてしまうような出で立ちであったからである。
 薄汚れたブルゾンにこれまた薄汚れたスウェットパンツにスニーカー。そのどれもが元の色が判別出来ないくらいに退色している。ベンチの傍らには僕が中学生の頃に乗っていたようなかなり古いタイプの自転車が駐めてあり、荷台にはダンボール箱に色々な物が詰め込まれた状態で括り付けてある。女の膝に埋まっているので顔は判らない。しかし彼女が撫で続けている髪の毛が白髪混じりな事から、男は中年以上の年齢であるのだろう。僕は狼狽しながらも目が離せずにいた。何故だ。何故この組み合わせが成立しているのだ。僕はその現実離れした光景に目を奪われ、その場に立ちつくしていた。
 そのまま見つけている訳にもいかないので僕は取り敢えず彼らの前を通り過ぎた。しかしどうしても気になる。このツアーでは、行き止まりでもない限り後戻りする事を自らに禁じていた僕であるのだが、今回ばかりは戻った。一度戻り、再びコースに乗る為にもう一度通り過ぎた。その際に女と目があった。その目に拒否の色が見て取れたので僕はそのまま歩き去らざるをえなくなった。後ろ髪引かれる思いとはまさにこの事である。僕はこの二人に物凄く興味を持った。何なら写真を撮ってインタビューでもしたいくらいである。彼らの背景に物凄く濃厚な物語の存在が伺えて、その予感に強く惹かれるのである。しかしながら、その物語の中に僕が足を踏み入れるのは非常に失礼な気がして、僕は歩き去る事にした。

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 : 右側の線路と左側の住宅地へと伸びる二股に挟まれる形で設置された公衆電話ボックス。公衆電話自体が急激に減っているこのご時世だが、このボックスは当分残されているような気がする。立地条件がとても良い。手前に立つ樹木が何なのか確認し忘れたが、桜のような気がする。春も盛りの真夜中に、街灯に白く浮かび上がる桜に身を隠しながら、恋い焦がれる誰かに電話したくなる絶妙な舞台装置だ。今時そんな人は居ないかも知れないけど。

 : 五反田駅。何の面白みもないどころか、荒んだ気持ちになる面構えだ。

 恵比寿で見かけた二人の事が余程気になって頭から離れなかったのか、目黒駅の写真を完全に撮り逃している。

山手線沿線を歩く(渋谷〜恵比寿)

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 渋谷駅の南側、国道246号線・高架上に首都高速3号線を渡り恵比寿駅方面へ歩く。渋谷駅周辺はグラフィティやそれに及ばない落書きが本当に多い。他の街に比べて若い連中が集う比率が大きいからだろうか。出来の如何を問わず、許可を受けていない場合には当の建物の持ち主にとっては質の悪い悪戯に過ぎないであろう。全くの部外者が眺めれば結構面白いんだが、個人宅に落書きするのは止めた方が良いと思う。かく言う僕は、小学校低学年の頃に余所様の家のブロック塀を、煉瓦の破片をクレヨンのように使って赤く塗り上げた事がある。勿論酷く怒られた。共犯者の中にその家の子供が混じっていたので怒られるだけで済んだけど、消すのが大変だったな。
 右上の写真の直前くらいに、店舗は割と大きいが立地と店の向きがひっそりとした美容室があり、ちょうど僕が通りかかった時に、店内からスタッフ2人に見送られて物凄い美人が出てきた。その姿を惚けて見ていたら目が合ってしまい、その美人は急ぐように歩き去ってしまった。別にどうでも良い話ではあるが、思い出したので書いておく。

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 恵比寿に近づくにつれて往来を歩く人と落書きの数は減っていく。恵比寿だってそんなに小さな街ではないが、誰でも彼でも「取り敢えず恵比寿に行こう」という発想にはならないと思う。だから人が少ないのだろう。その分歩きやすくて良い街だと思う。個人的には東京都写真美術館くらいしか当てにする場所がないので滅多に行かないが。しかし滅多にしか行かない為、以前来た時に入った店にもう一度入りたいと思っても潰れている事が多い。僕にとってはなかなか付き合い辛い街である。

山手線沿線を歩く(原宿〜渋谷)

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 左上: 明治神宮南参道入口。高い木々に囲まれたこの木製の鳥居が素晴らしく好きである。余り彼方此方の神社を訪ねた事はないのだが、僕の実家の近所にある結構大きな神社の鳥居は石で造られている。社務所や社殿は古いのに鳥居だけ新しく妙に近代的なので何だか変な気がする。

 右上: 渋谷駅方面への線路脇の道。右手には国立代々木競技場。なだらかに下るこの坂道をもう何度歩いただろうか。今では渋谷に行く事は殆どないのでこの道も通らなくなってしまったが、20代の頃には毎週末とは言わないまでも頻々に歩いていた。人通りが少なく歩きやすかったというのもあったのだろう。

 左下:そのまま下っていき渋谷の繁華街に近くなってくると、このようにバイクやスクーター、自転車がたくさん駐めてある。

 右下: 宮下公園。街の真ん中に在る公園には児童の姿はない。大人の身体を持った子供達ばかりが目に映る。とは言え冬の最中(この写真を撮ったのは2月初旬)にはそういう連中すら居ない。うら寂しい限りだが、家族連れが集まってくるような大きな公園でもなければ、東京の公園は、街に人間が多いだけに何処も寂しい。

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 左上: 高い位置を走る山手線と同じレベルに在る宮下公園を降りた道路から撮った写真。

 右上: 明治通り沿いの建物と山手線の間に挟まる駐輪スペース。渋谷は本当にバイクが多い。恐らく路肩やその他、彼方此方に駐め易いからなのだろう。

 左下: それを更に進むと、小さな飲み屋が軒を連ねている場所に続く。こういう空間はずっと無くならないでいて欲しいのだが、呑む人間も商う人間も段々と歳を取って、やがては其処に宿った全ての記憶と共に消え去ってしまうのだろうな。やたらと明るく清潔なカフェやレストランばかりが増えても、人は居場所を無くして困るだけだと思うのだけれど。

 右下: 渋谷駅。たまに来る度に何処かしらが変化している。思い出はいろいろあっても、映画を観に来る以外では本当に用がないので、新しい記憶が上書きされる事もない。中途半端な過去に流された街である。

山の手線沿線を歩く(代々木〜原宿)

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 東京都心部は地形が起伏に富んでいる為か、高架線路のガード下や脇道には面白い造形が多い。狭い空間を使って無理矢理建設したように見えるその傍には、人々の生活の営みが垣間見えたりするが、そこが良いのである。

 左下:絶妙なレタリングで書かれた「山の手ハウス」の文字が良い。この写真では判らないが、コーポと呼ぶにふさわしい外観を持つこのアパートの玄関口なのだろう。でもそうは見えない。このプレートと入口左側の水道がなければ誰も此処が玄関だとは気付くまい。

 右下:一戸建ての住宅が並ぶとある門の前。この写真では判り難いが「糞の始末をして下さい」と割と流麗な字体で書いてある。惜しい。こんなものを門前にぶら下げるという思い切った事をしておきながら、そんな大人の対応はないだろう。せめて「CCDカメラ内蔵型監視犬が見ています」とか「見たぞ!オマエが犯人だ!」とか書けばいいのに。まあ、ご近所さんに嫌われるかも知れないけど。

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 :僕は昔からこの秀和レジデンスのマンションが好きである。勿論住んだ事はないし、中に入ったことすらないので外観が、という意味で。東京を歩いていればいろんな地域で見かける。鱗のようにモルタルを塗り固めた壁。スチールワイヤーの欄干。部分的に用いられる青いスレート屋根。どことなく時代錯誤な感じが良い。

 原宿駅側部乗降場、お召し列車の発着ホームへの入口である。

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 原宿駅。休日のこの小さな駅の混雑ぶりには辟易するので、出来るだけ利用したくない。乗降客の7割くらいを子供が占めている(私感)事が更にその気分を助長する。外国人も多いが、それは余り気にならない。

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